石油と農業
2023年10月8日にハマスがイスラエルに対して「オペレーション・アルアクサ・フラッド」と名付けられた攻撃を開始しましたね。
ハマスとは、パレスチナ・ガザ地区を実効支配する武装組織のことですね。
グローバル基準であるブレント原油先物は、戦闘が始まった週の月曜日に約5%上昇し、1バレルあたり$87.20で落ち着きました。1バレル=159リットルです。私たちが使用してる量を想像すると少ないと個人的に思います。専門家によると、この衝突が中東のエネルギー生産に影響を与える可能性があると警告しています。
この戦争の勃発のきっかけには、かつて敵対にあったイスラエルとサウジアラビアの関係緩和が、より進んでいくと言われていることがあるらしいです。このままイスラエルとサウジが友好的になれば、アラブ全体とアメリカなど西側との融和がより推進していく可能性が高まります。そこで、反米意識の強いガザ地区にいる武装組織であるハマスが、これまでにない規模の反乱を起こしたとのことです。
イスラエルとパレスチナは主要な石油プレイヤーではありませんが、この地域の衝突が主要な石油生産地域に近いため、石油価格に対する潜在的な影響が懸念されています。石油価格の上昇は、日本のような石油を輸入する国々にとってコスト負担となります。価格が上昇すると、多くの商品やサービスのコストも上昇し、それが消費者に転嫁される可能性があります。イスラエルとハマスの衝突が続く限り、石油市場の不安定さは続く可能性があり、これが日本を含む多くの国々に影響を与える可能性があります。また、中東の状況がさらに悪化すると、ストレート・オブ・ホルムズのような重要な石油輸送ルートが脅かされる可能性もあり、これがさらなる石油供給の不安定を引き起こす可能性があります。
また、もしかしたら、イランも関与してるらしいです。イランの関与が証明されれば、この地域の緊張がさらにエスカレートし、既にロシアのウクライナ侵攻によって影響を受けているエネルギー価格にさらなる波及効果をもたらす可能性があります。イランの関与は、グローバルな石油取引のキーチョークポイントであるホルムズ海峡での混乱を引き起こす可能性があります。このホルムズ海峡は、中東のペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ非常に狭い水路で、世界の石油供給の約20%がこの海峡を通過しています。ホルムズ海峡の代替ルートは限られており、この海峡を通らないで石油を輸送する他のルートは、通常より時間がかかり、コストもかかります。輸送費が高くなると石油も高くなってしまいます。これにより、ホルムズ海峡はグローバルな石油取引のキーチョークポイントとされています。
また、我々が使用している「電気」も石油を使用して生成することが可能です。石油は石油火力発電所で燃焼され、その熱エネルギーは水を蒸気に変えるために使用されます。この蒸気はタービンを動かし、タービンは電気発電機を動かして電気を生成します。このプロセスは非常に効率的であり、多くの国々で電力の重要な供給源となっています。
日本でも、石油火力発電は一定の電力供給を提供していますが、日本の電力供給の大部分は他の源から来ています。例えば、原子力、石炭、天然ガス、および再生可能エネルギー。しかし、石油価格の変動は石油火力発電のコストに影響を与え、これが電気料金に影響を与える可能性があります。石油価格が上昇すると、電力生成のコストも上昇し、これが消費者に転嫁される可能性があります。
そして、我々が食べている食べ物も石油が絡んできます。肥料農薬、トラクター草刈機等の農業機械は石油を使用しています。そのため、石油価格の上昇は農業のコストを押し上げ、これが肥料、農薬、および燃料の価格に影響を与える可能性があります。これらのコストが上昇すると、農産物の価格も上昇し、これが消費者にコスト負担として転嫁される可能性があります。石油は農業において多面的な役割を果たしており、石油価格の変動は農業の経済に広範な影響を与える可能性があります。言い過ぎかもしれませんが、食べ物は石油でできていると言っても過言ではないかもしれません笑
石油に依存しすぎないことができれば、石油の動向に左右されずに農業ができそうと筆者は戻します。かと言って「石油」を全く使うなということではありません。何でもかんでも頼り過ぎはダメなようなことがするだけです。そうすると、日本は資源がないからダメなんだと言う人もでてきます。筆者はそんなこと全く思いません。この日本の「水」は、ホントに素晴らし過ぎる資源だと思います。
最後に。この緊張が高まれば、より石油が高騰していき、アラブ諸国はより潤います。また、アメリカがこの一帯で戦力増強することで、「ウクライナ、さらには台湾周辺などの兵力を削減しなければならず」、そこでまた「世界的な緊張が高まっていく流れも考えられます。そして、今回のハマスの攻撃で、2007年以降の紛争ではイスラエル人最多となる被害者が出ています。イスラエルに反撃する大義名分を与えてしまったため、パレスチナの「無辜の民」、罪のない人々が標的になる可能性も充分にあります。長引かないことを切に願いたいです。
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