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あきたこまちRの安全性

賛否両論がある話題になった「あきたこまちR」について話します。以前のブログでは、米の歴史と品種改良の凄さを述べました。ここからは、筆者の一個人の意見として聞いて欲しいです。不安を煽って商売はしたくない筆者でもあります。放射線の安全性に関する論文もあります。危険性があるとしたら、過剰な被曝をしたときです。適量なら全く問題ありません!放射能は、医療分野でも大活躍です。(がん治療やX線撮影)


ということで、結論から言いますと「安全性は何一つ問題ありません」です!従来のあきたこまちと同等かそれ以上です。福島の農作物も一緒です。(福島も放射線被害があったじゃないですか。)安全です!!!


そのため、「あきたこまちR」の生産者や福島農産物を罵倒しないで欲しいです。

まず、「あきたこまちR」とは何かを説明していきます。カドミウムの吸収が極めて低い特性を持っている品種です。カドミウムは、特に乾燥した田んぼで稲に吸収されやすい重金属で、人体に有害です。


秋田県はもともと鉱山が多かった地域なので、そこから流れ出た重金属のカドミウムが田んぼに蓄積されたところがあります。そこで米を栽培すると、特に田んぼが乾いたときにカドミウムが吸われて米粒に少し入ってしまうことがあるんだけど、「あきたこまちR」はほとんどカドミウムを吸わない品種なんです。今までは、稲の穂が出てくる時期に長期間田んぼに水を入れたままにすることで、カドミウムを吸わないようにしてたが、そうした管理が不要になります。


カドミウム低吸収性の「コシヒカリ環1号」と「あきたこまち」を交配して育成されました。この品種は、放射線育種によって開発された「コシヒカリ環1号」を使用していますが、放射線育種は50年以上前から一般的な農作物の品種改良に使われており、安全性には問題ありません。


放射線育種は、自然界で起こる突然変異を人工的に促進する方法です。自然界では、植物は日常的に太陽の紫外線や宇宙線などの自然放射線にさらされており、これが突然変異を引き起こすことがあります。放射線育種では、このプロセスを模倣して、植物の遺伝子にわずかな変化を引き起こし、新しい特性や改良された品種を生み出します。この方法は、より望ましい特性を持つ作物を効率的に開発するために広く利用されています。重要なのは、このプロセスで使用される放射線は、作物に放射能を残さないため、最終的な食品は完全に安全です。


おそらく引っかかるところは「放射能と放射線」ですよね。解説します。


放射能: 原子核が不安定であるために自然に崩壊し、エネルギーを放出する性質を指します。「エネルギーを放出する能力」

例えるなら、バッテリーが電気を持っているようなものです。バッテリーから電気が出るように、放射性物質からは放射線が出ます。この力はバッテリーが切れるように時間が経つと少しずつ弱くなります。


放射線: 放射能のある物質から放出されるエネルギーの形態です。

「実際に放出されるエネルギーの形態」

放射線は、放射能を持つ石(放射性物質)から出る「見えない光やエネルギー」です。太陽からの光や熱のようなものですが、目には見えません。例えば、リモコンがテレビに合図を送る時、見えない光(赤外線)を使います。


繰り返しなりますが、放射能は「エネルギーを出す力」を持っていて、放射線はその「出たエネルギー」のことです。


めちゃめちゃ身近にも放射線があります。バナナと太陽光ですね。太陽からの光には、紫外線という形の放射線が含まれています。バナナには微量の放射性物質であるカリウム-40が含まれています。これは自然界に普通に存在する放射性同位体で、バナナだけでなく、多くの食品や土壌、さらには人間の体内にも存在します。


では、なぜ、一斉切り替えなのか。種子の取り違えのリスクを減らすためですね!もし、土壌中カドミウムの高い水田に「従来あきたこまち」が間違って、「あきたこまちR」として栽培されて、その米が低カドミウムの米と見なされて流通することになったら問題だということになります。そのリスクを避けるために一斉切り替えが良いと考えの切り替えです。

でも、「やっぱりいやだ」っていう人は、あきたこまちRを食べなくともいいと思います。食を選ぶ選択肢はあります。生産者も然りです。別に、あきたこまちRを作らないで自家採取や他県からあきたこまちを買うことができます。生産者、消費者の自由です。


そのため、「あきたこまちR」の生産者を罵倒しないでください。


ということで、本日は「あきたこまちR」のお話でした。誤解されてデマが広がっていくのは嫌なんだよなあー


そうそう、数年前に、「主要農作物種子法廃止反対」、種子供給は県が責任を持てと、声高に主張していた人たちがいたような気がします。主要農作物種子法廃止後も奨励品種の種子供給に秋田県が責任を持つ体制をしていますよ。

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